拉致られて京成線

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京成電鉄はこの夏、京成全線が3回(3日)分乗り降り自由な“京成沿線おでかけきっぷ”を発売しました。せっかくだし久しぶりに京成回ろうかななんて考えていると三島氏から連絡が。「きっぷ買うんだけど1日連れまわしていい?」と。どうやら昨年彼を九州まで拉致したのの仕返しをされるようです。規模が違いすぎてプチ仕返しにもなってない


ある朝京成津田沼駅で集合。京成全線に乗るとは聞かされていますがどのような旅になるでしょうか。

1.京成津田沼09:35発 普通 ちはら台行(9B01レ)

まずは千葉線・千原線を潰すようです。千原線は運賃が高いこともあって最後に乗ったのは6年前のこと。久々の乗車に期待が高まります。

幕張の車両基地にはE131系やE235系の姿も見えました。新しい千葉の顔に期待半分不安半分といったところです。

2.ちはら台10:13発 普通 京成津田沼行(10B00レ)

改札外に出たのも束の間、8分の折り返しですぐ津田沼に戻ります。

と、列車は交換のため学園前で4分ほど停車。これならもう少しちはら台にいさせてくれればよかったのに…(ちはら台で何するんだという気はしないでもないですが)。

3.京成津田沼11:00発 快速 西馬込行(1000Tレ)

列車を何本か見送り快速に乗車…ってことは押上線を攻めるんでしょうか?

やってきたのは都営の5500形でした。三島氏に聞けば、さすがにこの路線網では大体のルートはわかってしまうだろうから車両面にサプライズ要素をもたせているとのこと。運用はまるで知識がないので楽しみです。

それにしてもいくら先頭車とはいえ高砂でロングシートまるまる1列空くような路線でしたっけ…。

予想通り押上で下車。こちらも降り立つのは何年振りでしょうか。

4.押上11:40発 アクセス特急 成田空港行(1103Kレ)

改札外に出ることすらせずアクセス特急で引き返します。昨年導入されたばかりの3100形に乗ってみたかったところですが、さすがに3000(3050)形でした。とはいえ京成はここ最近すっかりご無沙汰だったので、この色の3050を見るのも初めてです。

1駅乗っただけで下車します。

スカイアクセス10周年記念のヘッドマーク。奇しくも山本寛斎先生の遺作となってしまいました。

5.青砥11:53発 特急 京成上野行(10A12レ)

青砥で下車したら次は…ということで本線上野方面を潰します。運よく3400形が来てくれました。初代AE形の走行機器を利用して製造された当形式ですが、いつまで走っているのでしょうか。

6.京成上野12:14発 快速特急 成田行(12A13レ)

特急の折り返しは昨年10月のダイヤ改正で日中も走るようになった快速特急。フリーきっぷ持ちなのをいいことに我々もそのまま引き返します。

ちなみに押上線といい末端駅ですぐに折り返してしまうのは、江戸川以西は通年販売の下町日和きっぷが使えるから。せっかくなら普段自由に降りられない成田側で時間を取りたいとのことです。ちはら台は見なかったことにしておきましょう…()

7.京成高砂12:37発 普通 京成金町行(1271bレ)

金町線専用改札を抜けた先で待っていたのは3668編成、いわゆるターボくんでした。3600形を6両編成から8両編成に組み替える際に余剰となった車両を活用して組成した当編成。中間2両が廃車となり4両編成になっても元気に動き回っています。

8.京成金町12:52発 普通 京成高砂行(1270bレ)

金町線も下町日和きっぷエリア内のため乗ってきた電車で折り返します。

酔っ払いの転落防止に効果があるとされる、線路に対し垂直な配置のベンチ。JR西日本が推進しているのは知っていましたが京成でも導入が進んでいるんですね。

9.京成高砂13:01発 快速 西馬込行(1110Tレ)

ふたたび改札を2度通って本線系統へ戻ります。写真は撮り忘れましたがまた5500形でした。

10.青砥13:14発 スカイライナー45号 成田空港行(13AE07レ)

さて、お気づきの方もいるでしょうが、ここから成田空港まではスカイライナーで一気に駆け抜けてしまいます。4月から早朝深夜の一部便に限り青砥への停車を開始したスカイライナーですが、早くも6月には日中の半数も停車するようになりました。もっとも、スカイライナー自体減便されており青砥に停車するのは80分おきです。

ライナー券は3F下りホーム一番後ろ(上野・押上側)にいる係員から購入します。価格は上野・日暮里からより少々安い1000円ちょうどです。
ちなみにその場所にはシティライナー・イブニングライナー用の待合室と特急券売り場が存在するのですが、今後青砥停車が恒久化したらそちらでライナー券を購入できるようになるんでしょうか。

ほどなくスカイライナーがやってきました。元より当駅を通過する際は速度を落としていたのですが、だからこそ あ、停車するんだ という意外性があります。
きちんとは見ませんでしたが青砥での乗車は2-3人程度でした。もっとも、この情勢では各号車10人前後という状況ですから1人でも乗車があれば立派です。

どの号車に陣取ろうかと車内をうろついている間も列車は停まったままでしたが、向かいにアクセス特急が到着するすんでのところで発車しました。接続待ちかと思ったらそうでもないんですね。

ただでさえ少ない乗客の大半が空港第2ビルで下車し、いよいよ車内は静寂に包まれます。

あっという間に終点・成田空港に到着。わが6号車で最後まで乗っていたのはわずかに3人でした。

ターミナルに上がってみても人影はほとんどありません。先日九州へ飛んだ際は第3ターミナル利用だったのであまり実感が湧かなかったのですが、こちらに来て現実をまざまざと突きつけられました。

11.成田空港14:08発 特急 京成上野行(14A00レ)

成田空港から京成本線に乗車する際は普通の改札に加えてもう一度改札を抜ける必要があります。中間改札を設けることで乗客が本線経由かスカイアクセス経由か判断しているわけですが、初見だと少々戸惑いそうです。

当然ホームも両者で分けられています。スカイライナーのホームと本線のホームは縦に並んでいますが、こんな芸当ができるのはここが元々成田新幹線の駅として建設されたからです(なお、アクセス特急のホームはスカイアクセス開業に際し別に新設されています)。

ホームに降りると待っていたのはまたも3400形でした。さすがは引きの強い三島氏です。

ところで、先ほど成田空港では本線とスカイアクセスでホームを分けてどちらを経由したか区別できるようにしていると述べました。それは空港第2ビルも同じなのですが、残念ながらこちらでは少々ホームの長さが足りず、本線の列車は後ろ2両ほどがスカイアクセスのホームにはみ出して停車します。ドアカット機能はないようではみ出している部分もドアは開きますが、当然こちらでの乗降は不可。駅係員が目を光らせています。この列車でも乗り間違いなのか1人乗りこんできて係員に降ろされていました。

ホームにもこのような案内が。とはいえ初見で理解するのは難しそうです。

京成成田で下車。

ホームの隅には行商台が残されています。

と、下りホームに3051編成がやってきました。一見するとただの3000形ですが実はコレもともとスカイアクセス向けに投入されたもの。よく見るとモケットがスカイアクセス仕様の飛行機柄(↓)です。

12.京成成田14:32発 普通 芝山千代田行(1447レ)

今度はなんと3500形がやってきました。

車内はガラガラですが、これはいつもの光景ですね(笑)

駒井野信号場で本線と分岐。支線であるはずのこちらが直進になっているところに萌えます。

分岐してすぐトンネルに入るのですが、換気のために窓が開いているので走行音がモロに響いてうるさいったらありゃしません。ロクに会話もできないほどです。

高架に上がったところでZIPAIRのB787が目に飛び込んできました。JALの国際線中長距離LCCとして設立された同社ですが、現状では貨物専用便を東京(成田)~バンコク(スワンナプーム)で運航するのみ。旅客が乗れる日はいつやってくるのでしょうか。

東成田線のついでに芝山鉄道も完乗。これで三島氏は千葉県内の鉄道制覇だそうです。すごい。ちなみに私はあと2区間残っているのですが、鹿島線香取~潮来はありそうな線としてもうひと区間がTX南流山~三郷中央という…。

あれ、あのシルエットはもしやAE100…

13.芝山千代田14:57発 普通 京成成田行(1446bレ)

またしても折り返しの電車に乗っていきます。

折り返しまで時間があるためか、各号車真ん中のドアしか開いていません。

芝山鉄道を再度乗り通し(といっても1駅だけですが)、東成田で下車。

改めて説明するのも野暮ったいですが、ここは元の成田空港駅。1991年に成田新幹線用の施設に乗り入れるまではここが空港の玄関口でした。

現在使われているホームの隣にはかつての特急ホームが。

ホームは封鎖されているものの、案内表示や広告は当時のまま残っています。

あ、駅名標も成田空港のままなんですね(笑)

コンコースに上がるエスカレーターも年季が入った雰囲気。下りなんか封鎖されてしまっています。

改札を抜けてもがらんどうとした空間が広がります。

手軽で安全、スピード配送。当然エスカレーターは稼働していません。

かつてここから第1ターミナルに向かっていたとは…。にわかには信じがたいです。

なお、東成田駅にはターミナル間連絡バスもやってきますが、バス乗り場へは上の駅舎からではアクセスできず、通路を奥に進んだところにある第5ゲートから向かう必要があります。いたるところに鉄柵が張り巡らされている様はまさに迷宮です。

さて、かつての成田空港駅を堪能したところで第2ターミナルに向かいましょう。駅改札すぐのところから空港第2ビル駅に続く連絡通路が出ているのです。

通路はおよそ500m。無機質で異様な雰囲気です。

長い通路を抜け、空港第2ビル駅に飛び出しました。ぜんぜん人はいないはずなのになぜか活気を感じます。なんというか、あちらは廃の雰囲気がプンプン漂っている一方こちらはまだ生きているって感じでしょうか。

第2ターミナルも第1と変わらぬガラガラっぷり。まぁそらこんな欠航してたらねぇ…?

出発ロビーもこの空気です。

カウンター上のモニターは青一色。時々カウンターにスタッフがいて驚きます。

外に出てみるとバス乗り場の奥に空港交通の車両が停まっていたので覗きに行ってみます。あれ奥のはなんだ…?

そこにはなんとランプバス最古参のブルーリボンがいました。思いがけぬ車両との遭遇にテンションは一気に高まります。

こんなJRみたいなステッカー貼ってありましたっけ…?笑

14.空港第2ビル16:44発 アクセス特急 羽田空港行(1604Kレ)

2タミを一回りしたところで再びスカイアクセスへ。さすがに今回も車両は3000(3050)形です。

下車したのは成田湯川駅。成田スカイアクセス開業時にできた秘境駅として一度訪れてみたいところでした。

アクセス特急と入れ替わりでスカイライナーが通過していきました。新幹線以外では国内最高速の時速160キロ。一瞬で過ぎ去ってしまいます。

すぐ近くまで住宅地も迫ってきているのですが、駅舎の方を見るとやはり強烈な秘境駅感が漂ってきます。

ちょうど千葉交通の復刻塗装車が出発していきました。成田ニュータウンの北西端に位置する当地にはかつて同社の車庫が存在しており、現在でも運行の拠点になっているようです。

15.成田湯川17:08発 アクセス特急 成田空港行(1559Hレ)

本線津田沼~成田を潰しに空港へと戻るのですが、ガラガラにもほどがありませんかね…。

車両は今回初の京急車でした。

16.東成田17:41発 普通 京成成田行(1746レ)

2ビルで本線の列車を逃してしまいどうしようかと思っていると、ちょうど芝山千代田からの列車がやってくることに気付き慌てて東成田へ。

無事、2ビルからの次の電車より早く成田に到着しました。すぐには本線に乗り継がず、どこかへ向かうようです。

企画者が三島氏だったことを思い出してすべてを理解しました。駅前から新勝寺の門前まで成宗電気軌道の廃線跡が道路に転用されて残っているのです。

探索の詳細は三島氏に譲り新勝寺到着までコマを進めます。

新勝寺を詣でるのは記憶にないくらい久しぶりなのですが、電車の時刻が迫っているらしく本殿を訪れただけで引き返します。これだけ空いているのは滅多にないでしょうから早めに再訪してきちんと回ってみたいですね。

夕刻なのも大きいでしょうが表参道の人通りはほとんどなく、店の明かりもまばらです。

駅に戻ってくるとまた復刻塗装車が現れました。先ほどとは違う車両ですしほんと三島氏の引きどうなってるんでしょう…。

17.京成成田18:58発 特急 京成上野行(18A10レ)

やってきたのは3700形。思い返せば今日は3000(、3050)、3400、3600、3500とさまざまな形式に乗ってきました。3000形が闊歩するなかこれだけの車両に乗れたことはもはや奇跡と言ってもいいでしょうが、そう考えるとなおのこと3100形に出会えなかったのが惜しいです。

18.京成佐倉19:13発 快速 京成高砂行(1978Hレ)

佐倉で列車から降ろされると、向かいには京急ブルースカイトレインが停まっていました。

そして行先は高砂…?
実はこれ京成名物の(?)高砂で普通に種別変更する列車。見た目には京急車の京成線内運用に見えるということでこの旅最後の列車に選ばれたようですが、三島氏もブルスカが充当されているとは知らなかったそう。ほんと引き運どうなってんだ。

津田沼で下車。長い旅が終わりました。

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