5年ぶりの小坪井探索

三島と私が中心となって調査を進めてきた小坪井林鉄。大方の区間を踏破したこともあって久しく足を運んでいませんでしたが、先日5年ぶりに訪問してきました。

小坪井林用軌道(小坪林道) 第一次探索【その0・総目次】 : 奥ゆかし廃探索記
房総に「あるはずの無い」森林鉄道…

※今回の調査は探索済み区間の再訪・比較となります。遺構等の詳しいレポートは上記より過去の探索記事をご覧ください。


いつも通り君津ふるさと物産館から田代林道を辿っていこうとしたところでハプニング。なんと明澄橋から先が通行止めになっていました。崩落などの物理的要因ではないようですが、どういった事情なのでしょうか。

何はともあれ親の顔より見た無名の橋までやってきました。この橋を進んで尾根を越えた先が長さ約300mの隧道を抱える小坪井沢ですが、5年ぶりの探索で尾根越えを遂行できる自信はなく、今回はここから沢に入って田代川沿いの軌道跡を辿ることにします。小坪井沢こそ久しく訪れていないので次の機会には必ず…!

桟橋軌道で橋脚孔くらいしか残っていない小坪井沢に対し、比較的川幅のある田代川系統では河岸に路盤を設けているのが特徴。小坪井初訪問の同行者たちに講釈を垂れつつ進みます。

へ???

最初の隧道(田代第三隧道)までやってきたところ、なんと坑口付近で大規模な崩落が発生していました。過去の写真と見比べてみるとその差は一目瞭然です。

崩落は通常喜ばしいものではありませんが、これに関しては隧道の周りの草木が取り払われたことでむしろ隧道がよく見えるようになりました。

これはすごいことになっているぞと対岸の路盤跡に登ってみると…

!!!!!!!!

路盤跡から隧道を一直線に望む構図は崩落以前も見られたものの、より見通しが効いて圧巻の眺めになっています。眼福…

沢を遡って反対側の坑口に回ってみると、こちらも覆っていた草木が消えて隧道が露わになっていました。

足がかりにもなっていた草木がなくなったおかげで登攀は困難を極めましたが、なんとか入洞。洞内の様子は特に変わりないようで安心しました。砂地がキンキンに冷えていて凍える…


隧道側から対岸の路盤跡が見渡せるようになったのも大きな収穫です。
※写真奥から橋を渡ってこちらへ軌道が延びているはずなのに右手へも路盤が続いていますが、これは途中の支谷へ向かう支線と思われます。

上流側から見ると、隧道から右手前の路盤へ軌道跡が続いているのが分かります。


ベールを脱いだ(?)田代川第三隧道が見られてすっかり満足しましたが、この先の現況も気になるのでさらに田代川を遡上していくことにします。

軌道跡は川のカーブにあわせて両岸を行き来し、そのたびに3連の橋脚孔が現れます。そもそも沢が美しいこともあり、飽きが来ません。

13時ちょうど、正面に堰堤が現れました。ここも前回訪問時とは異なり、流木が幾重にも積み上がっています。頑張れば登れないこともなさそうでしたが、タイムリミットも迫るなか無理に登るメリットは小さいと判断。ここで引き返すことにしました。

最後にお待ちかね(?)の昼食タイム。今回は肉類を片倉ダム記念館の建物内にオープンしたジビエ専門店で調達してきました。程よいクセがアクセントとなり、あっという間に食べきってしまいました。ご馳走様でした。


小坪井林用軌道(小坪林道) 第一次探索【その0・総目次】 : 奥ゆかし廃探索記
房総に「あるはずの無い」森林鉄道…

↑小坪井林鉄に興味を持った方はコチラから↑
(今回の探索区間は第三次探索【その1】【その2】および第五次探索【その2】【その3】にあたります)

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