平成を駆け抜けた車両 189系

平成が終わった。といっても、公文書など滅多に書かないので、家にあるものを一通り見回しても「令和」などと書かれたものは無く、自分の中ではまだ平成が幕を下ろしたなどとは実感できない。
しかし、実際には世の中の元号は平成から令和へと変わっていて、それに伴った特番も組まれていた(特番で時代の変化を感じるあたりが情けない気もするが)。その中で、様々なものが移り変わったと、報道されることも多々あった(昭和の問題もかなり解けた)が、その中に鉄道関係のものは、少なかったと記憶している。そこで今回は、自分の推しである189系について簡単に語ろうと思う。  189系は国鉄時代に設計・製造された特急型車両である。国鉄という時点でお分かりかと思うが、この車両は全車両が昭和に製造された車両である。碓氷峠にも対応できるように設計され、中央・上越・信越線や西日本でも活躍していた、まさに時代を風靡した特急電車といっても過言ではない。
晩年は、新世代の特急電車に押され、快速電車として走ることも多かったが、それでも中央線においては臨時の特急として走るなど、名前に恥じぬ活躍ぶりであった。

これは余談になるが、189系は北陸新幹線(長野新幹線)の開業に伴って「あさま」の運用をE2系新幹線に取られ、中央線のスピードアップに伴って「あずさ」の運用をE351系やE257系に譲ったわけだが、実はこの運用を奪ったはずのE351系やE2系よりも廃車になるのが遅かった(もはや何のための置き換えだよ)。

ちなみに「あさま色」として親しまれ、189系の中で最後まで走り続けたこの編成(N102編成)は、先頭車両に限ってみれば、初期製造車(1979年製)である。国鉄はなんと長持ちする車両を製造したのだろうか…。

しかし、そんな車両も結局最後は「加齢」に勝つことはできず、華麗にさよなら運転を行い、消えていったようである(自分は見に行く気が起きなかった。見たいのは車両であって動物のように騒ぐ鉄オタではないのである)。

令和の世の中が始まり、これから更にハイテク化が進むと言われ、自分の10年後の姿でさえ想像できないと、悩むことも多々ある。しかし、そんな時、自分はこの車両のことを思い出す。
時代の逆境を乗り越え、数年先の運行状況などわからない中で、昭和から平成を走り抜けたこの車両のことを。

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