斜めから降る雨に打たれ【三島のテーマ縛り探訪記②】

鹿島鉄道

かつて茨城県の中南部に、石岡と鉾田を結んでいた鹿島鉄道線という路線がありました。「鹿島」の名前の由来は、この鉄道がそもそも鹿島神宮への参拝輸送を目論んで設立された「鹿島参宮鉄道(1924(大正13)年運行開始)」であったことによります。結果的に鉾田で鉄路は止まり、鹿島神宮までの全通は夢のまま終わりましたが、その後関東鉄道へ吸収(関東鉄道鉾田線)されたり、儲からないローカル線であることから分社されて再独立…を経ながらも営業を続けていました。

依然として旅客営業としては赤字であった鹿島鉄道でしたが、1987(昭和62)年にはワンマン化を実施し、合理化を図った他、石岡南台ニュータウンの開発に併せて新駅を設置し、時間帯によっては石岡接続の常磐線よりも本数が多いなどといった区間便の増発積極的な経営策を取りました。

しかしここでわざわざ「旅客営業としては」と書いた理由として、鹿島鉄道が航空自衛隊百里基地への航空ジェット燃料輸送による貨物列車の運行収入によって経営が成り立っていたという避けられない事実がありました。そしてその命綱と言えた燃料輸送は設備の老朽化から2001(平成13)年に中止、2002(平成14)年に正式に貨物営業を廃止に追い込まれてしまいます。

その後は親会社の関東鉄道による経営支援が行われ、辛うじて路線を維持していましたが、2005(平成17)年につくばエクスプレス開業によって関鉄本体の経営に陰りが出てしまったため支援が継続不可になり、2007(平成19)年をもって廃線となりました。今回はそんな鹿島鉄道の中でも現在でもはっきりと痕跡が残る「最後の新駅」を探索していきます。

雨の中を

土砂降りのある日(サボっているので訪問からこの記事投稿までに年単位の時間が経っていますが…)、石岡市にある南台ニュータウンにやってきました。ここに近代的なPC桁の橋が架かっています。これが鹿島鉄道線の廃線跡で、鉄道線時代からのままの橋です。(金網は追加されています。)

住宅街をしばらく行くと、広場が現れました。

「フローラルシティ南台」とブランド名が付けられたこの地域の地図には鹿島鉄道が現役のままでした。石岡南台の駅名も書いてあります。

そして広場の先にあるこちらが石岡南台駅跡です。

広場の様子。閑散としているのは天候のせい…ということにしておきます。

ホームはフェンスで封鎖されている状態で残され、2面2線の対向式ホーム(交換駅)がそっくりそのまま。そして路盤跡が舗装されています。

鹿島鉄道の代行バス「かしてつバス」は廃止直後から運行されています。そして2010(平成22)年の茨城空港開港と前後し、廃線敷をBRTの「かしてつバス専用道」として再利用しています。こうして石岡南台駅は第二の人生を歩んでいくこととなりました。

構内踏切(?)で繋がっています。ホームは残したまま、横で乗降をしており、対向方面のバスもきちんと対向側から発着します。(ドアの方向的に当然ですが…)

鉄道線時代の跨線橋はそのままの姿で封鎖されています。まぁバスなので上空を跨ぐ必要はないのでしょう。

石岡南台駅以外にもBRTされた区間は存在しますが、この駅が一番鉄道線時代の姿を維持したまま転換されています。

鉾田方面のホームの様子。

駅から石岡方を眺めます。先ほど見たコンクリート橋が見えています。

びしょ濡れなのでそろそろ帰りたい…と思ったところでちょうど石岡行きが駅に「入線」してきました。

(関鉄グリーンバス G055号車 水戸200か 11-31 富士8E×日デ KC-RM211GAN(1998年式))

今来たバスは一般的な関鉄バスカラー(運行は関鉄グリーンバス)ですが、かしてつバスには「かし鉄バスデザインプロジェクト」によってデザインされた独自仕様のバスが存在します。行った日には石岡駅に止まっていました。(写真の車両(元:名古屋市交通局)は現在廃車されています。)

(関鉄グリーンバス G073号車 水戸200か 16-33 西工96MC×日デ KK-RM252GAN改(2003年式))

ナンバープレートの位置を見ただけですぐに分かる元:東急バスの西工車(ちなみに元池上営業所のI410号車です)に揺られながら、石岡駅に到着しました。この後バスを乗り継ぎ、取手まで戻りましたがそれは別の話ですね…

(関鉄グリーンバス G040号車 土浦200か 11-40 日野 KC-RJ1JJCA(1996年式))

かしてつバスの終点ロータリーの様子。この時は反対側のバス乗り場が改修中で、柿岡車庫へ向かう林線もこちらに乗り入れていました。車両は幕車のレインボー(東武バス中古とのこと)で非常にカッコいい車ですが、記事投稿時現在では関鉄バス全グループの一般路線車からツーステップ車が全廃されてしまっているので、この車両も天に召されていると思います。

探索終了。

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