平成とともに姿を消した航空機~日本のボーイング747~

初めまして、たんたかです、ういうい。
皆さんは旅客機と聞いてどのようなものを思い浮かべるでしょうか?小型のボンバルディアDHC8-Q400でしょうか、それとも王道のボーイング777でしょうか、それともLCCがよく使うエアバスA320でしょうか?多くの方は「ジャンボジェット」という愛称で親しまれたボーイング747を思い浮かべるのではないでしょうか。今回はそのボーイング747についてお話していこうと思います。
①ボーイング747の歴史
ボーイング747とは1968年に生産開始された2階建ての航空機のことで、世界中の航空会社が長きにわたり使用してきた。開発当時の1960年代は150-200人乗りの航空機が主流だったが、空港の大型化も始まっておらず騒音の被害が深刻化していたため一度に多くの乗客を運べる大型機をパンアメリカ航空がボーイング社に要求し開発が始まった。運行開始したのは1970年。ニューヨークーロンドン線に投入したのを皮切りに日本航空などの他社でも運用が開始された。しかしながらどの航空会社も座席をすべて埋めるような乗客はいなかったため「多少安くしてでも乗客を増やしていこう」という考え方が始まりその考えは21世紀初頭まで続いた。その後は1991年からB747-4、2009年からB747-8などの後継機が開発され現在でも世界の空を貨物を中心に飛んでいる。
②日本のボーイング747

写真:JALHP
日本でもB747は国内線・国際線問わず運航されていた。最初に導入したのは日本航空。1970年4月22日からホノルル・ロサンゼルス線で運航を開始し、1973年からは国内線専用機のB747SR、1990年からはB747-400を導入し長きにわたり主力機として活躍していたが不景気の影響で海外旅行の売れ行きが悪くなり航空機の小型化が進んだことや老朽化が進んでいたこともありボーイング777などに主力機の仕事を受け渡し2011年3月1日に運航を終了した。全日本空輸が導入したのは1979年と日本航空からしばらく遅れての導入だが、かつてのANAは国際線「45/47体制」と呼ばれる当時の運輸省が決定した航空会社の棲み分け政策により国際線はチャーター便しか運航することができなかったのである。そのルールも80年代中盤には撤廃され1986年より国際線定期便が運航開始され、それに伴いB747-200Bが導入。初の長距離路線であるロサンゼルス・ワシントン便に使用されていた。しかしながらANAも時代の波には逆らえず国際線は2011年1月3日に、チャーター便も3月21日に運航を終了。国内線はその後もしばらく運用を続けていたが予定を前倒しして2014年3月31日に運航を終了し、一般人が搭乗できるB747は日本の航空会社から姿を消した。
③政府専用機のB747

政府専用機(写真はいろはす氏よりお借りしました)
日本国は1992年よりB747-400を2機導入して政府専用機として皇族の外国訪問、首相・大臣の外交時に使用していた。管理は航空自衛隊に委託して日本航空で訓練を受けた方が整備・操縦などを行い、航空自衛隊千歳基地に常駐していた。そのため使用していないときは新千歳空港から見ることもできた。しかしながら大型機は小さな空港では離着陸に制限があることや、日本航空が同型機の運用を終了したため2019年以降は整備が行えなくなり後継機を検討することになった。その結果2014年に後継機にはB777-300ERを使用すること、機体整備は全日本空輸に依頼することを決定。そして2019年(平成31年)1月21-24日に行われた安倍首相のロシア・スイス訪問を最後(?)に任務を終了し4月1日に退役、今後は貴賓室などを取り外して一部は展示するが残りは民間に売却し再利用されるようだ。
④貨物機について
現在NCAこと日本貨物航空がB747-8Fを8機保有しておりそれが日本最後のB747となっている。
⑤まとめ
「ジャンボジェット」の愛称で親しまれたボーイング747はリーマンショックなどの不景気や日本航空の経営破たんなどで平成のうちに日本の旅客機はすべて姿を消してしまった。オール2階建てのエアバスA380も生産を終了するなど航空機の小型化が進む中で大型機はやはりロマンを感じると私は思う。新しい令和の時代になっても残る海外のB747に目を向けてぜひ全機退役の前に一度乗っておきたい。
「ジャンボジェット」よ、永遠に。ういういういういういういういういういういういういういういういういういういういういういうい。

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