HELLO SCOOTERは風を吹かせられるか

HELLO MOBILITY - 電気で動くシェアモビリティ
ハローモビリティは各地に設置されたステーションからスマートフォンアプリを使ってモビリティを選択し、距離やその時の気分に合わせた方法で移動できるシェアサービスです。超小型EV・スクーター・スローモビリティ・電動アシスト自転車・e-bikeを揃えてお待ちしています。

HELLO CYCLINGを運営しているOpenStreet社が9/20よりHELLO SCOOTERというサービスを開始しました。スクーターのシェアリングとはどんなものなのか気になりますが、期待を裏切らず公式サイトからは全く情報がつかめません。これは実際に利用してみるしかなさそうです。


2021/09/11:料金表を修正しました

HELLO SCOOTERもHELLO CYCLING同様まずは会員登録。HELLO CYCLINGを5回以上利用した方には特別プランが用意されているので、登録の際、忘れずに紹介コードを入力しましょう(紹介コードはHELLO CYCLINGアプリ内のメッセージ>お知らせに送られてきているかと思います)。


※月額料金無料※
※いずれも税込価格です※

で、この特別プランがいかにおトクか比較表を作ってみたのですが、実はアプリと公式サイトで微妙に内容が違ってまして…。アプリの料金表には距離加算の記載がない一方で、パック料金の超過料金が設定されています(公式サイトではパック料金の場合、原則延長はできないとなっています)。たぶんほとんどの方は特別プランでしょうから距離加算の有無なんて知ったこっちゃないと思いますが実際どっちが正しいんでしょう…。

なお、HELLO CYCLINGとは異なり、パック料金はあらかじめ選択する必要があります(上限額を迎えても自動的にプランが移行されることはありません)。

また、利用できるのは原動機付自転車なので免許の登録が必要となります。この確認のため登録申請してから実際に登録されるまで3営業日ほどかかるようです。
…なんて言っていたら申請当日の夜に免許申請通過のお知らせが。

ということでさっそく日比谷パークフロントのポートに向かいました。

地下1階に下りてセブンイレブン脇のエレベーターへ


ポートは地下3階にあります

エレベーターを降りて右手に進むと、すぐにポートが現れました。

GYRO CANOPY車種カタログ
働く人と地球に優しい、エコノミーなルーフスリーター「GYRO CANOPY」

車両はホンダのジャイロキャノピー。出前配達なんかでよく見かけますね。

借りる前にBluetoothをONにしておきましょう。しかし「シャンセル」ってなんぞ…

ポートのアイコンをタップして車両を選択。一台一台カラーリングが異なるようなので、せっかくなら宣材写真もそれぞれ撮ってカラーで車両を見分けられるようになるといいなと思いました。

「レンタル開始」を押すと利用が始まります。こっちはきちんと「キャンセル」なんですね…

レンタルが開始されたら、まずはアプリを操作して後ろのボックスを開けます。

ようやく使い方の片鱗が見えてきました笑
詳しい操作方法はアプリ内ヘルプボタンから確認できます動画形式で通信料も発生するので、あらかじめ視聴しておいた方がよいかと。

ヘルメットはグラス付き。バイクは初めてなのでよくわからないんですが、これは少々付けるのがためらわれますね…。右手の青い使い捨てカバーキャップをかぶったうえでかぶります。

なお、ヘルメットとカギはイヤホンジャックで車体と接続されています。盗難防止のため接続されていないと返却されないようになっているのでしょう。

ボックスにカバンをしまっていよいよ…と思ったらボックスの扉がなかなか閉まりません。開ける時も難儀しましたし、なにやらコツがいるようです。

思い切りやってなんとか扉を閉められたので、アプリの案内に従ってエンジンをかけてみます。

バイクの運転は初めて。全然感覚がつかめません。3輪タイプでこれなので普通の2輪車に乗ってる人はどんな運動神経してるんでしょうか…。

しばらくぐるぐるして多少慣れてきたので地上に上がってみます。


構造上いちど地下4階まで下がらないと外に出られないようです。

想像以上に映えますねこれ

試走で遊び過ぎたのか、いつのまにかガソリンが切れかけていました。せっかくなので給油してみましょう。

最寄りのコスモ石油へ。

イス左横の鍵穴に鍵を差し込みまわすと…


座面をパカッと開けることができます。中央の出っ張った丸いフタのところが給油口です。

支払いは後ろのボックスのケースに刺さっているクレジットカードで。カードをケースから抜いている間ずっとメロディが流れるようになっていてちょっとうるさかったです。

給油も終わったのでそろそろ返却しましょう。

ヘルメットとカギをイヤホンジャックに差し込み、ボックスを閉じます。


アプリでボックスにロックをかけ、「車両を返却する」をタップ。月額料金に含まれている500円分のクーポンが適用され(特別プランなので月額料金払ってませんが)、最終的な料金は400円でした


さてこのスクーターのシェアリング、普及していくものなのでしょうか。

実は、ハード面からいうと普及は案外たやすいものである可能性が高いです。というのも、一部都市では一定規模以上のビルに対してバイク駐車場の附置が定められており、あまり利用がないにもかかわらずそこそこの台数のバイク駐車場が設けられているのだとか。そのスペースをハロースクーターに貸して有効活用しようとなるわけです。

以下の内容はサービス開始当初の料金体系に基づいています。

しかしながらソフト面ではなかなか厳しさを感じます。
今回の利用、通常プランだといくらかかるのでしょうか。時間加算は160円/15分になるので1時間28分では960円。で、さらにここから距離加算が加わります。驚いたことに何キロ乗車したかの履歴をアプリ内で確認できなかったため正確な数値はわからないのですが、日比谷パークフロント~コスモ石油の往復2㎞少々にいろいろ遊んだ分を加えて走行距離5㎞と仮定しましょう。100円かかります。クーポンが効いて合計は560円となりますが、月額料金もあるので月全体の支払いは1560円になります。今回のようなお試し利用でこれだけかかるのはハードル高すぎです。
というか今後利用していくにしてもこの料金体系は高いと感じます。借りたところと違うポートで返却していいという大きな強みはあれど、これではカーシェアとあまり変わりありません。(※タイムズの場合、月額料金880円で220円/15分、距離加算はなし。また、月額料金は全額利用料金に充当される。)

そして最後に気になるのが、免許審査通過のお知らせに記載してあった「ご登録の免許種別に応じた車両のご利用が可能になります」という文言。じきに自動二輪や、あるいは側面も覆った完全密閉型のスクーター(自動車扱いとなるようです)もラインナップに入るということなのでしょうか。

全く新しいシェアスクーターの世界、今後どのように展開していくのか気になるばかりです。

2021年3月23日より、さいたま市内で実証実験として超小型EV“FOMM ONE”が利用できるようになりました。

コメント