千葉市では2018年3月よりシェアサイクルの実証実験を行っており、2020年2月からの本格導入が決まりましたが、世界の時流同様シェアサイクルに続いて電動キックボードのシェアリングサービスも上陸しています。どういったサービスなのか覗いてみましょう。
千葉市内でサービスを提供しているのはWindという会社。ここ以外では浦和美園でも事業を展開しているようです。
利用者はあらかじめ専用アプリをダウンロードし会員登録を行います。日本では電動キックボードは原動機付自転車(原付)の扱いとなるので運転免許も登録が必要です。
ハンドルまたは足元のQRコードをアプリで読み取るか、QRコード下の番号(S3000***)を入力すればロックは解除。利用開始です。
原付ですので袋に入っているヘルメットを着用してください。
安全のため停止状態ではアクセルを踏んでも発進しないようになっているそうで、走り出しの際は地面を3回キックしてからハンドル右のアクセルを押して加速します。
ブレーキはハンドル左手。看板では「後輪にはフットブレーキもあります」となっていますが、タイヤが摩耗しそうであまり使いたくありませんね。
どう見てもタイヤの走行面に直接ブレーキシューを押し当てるタイプの後輪ブレーキ
返却は任意のピックアップエリア(ポート)でアプリを操作しロックをかけるだけで大丈夫です。
このWIND、当初の予定では7月より稲毛海浜公園内にてサービス開始、7月中旬には海浜幕張駅前にもポートを設置するとのことでしたが、海浜幕張エリアのポート設置は8月の後半に。
自家用自転車に占拠されたピックアップエリア
車両は何処…(なかなか訪れないのもありますが、稲毛海浜公園で車両を見かけたことはありません)
海浜幕張駅前のピックアップエリアを見るに車両の流動はなさそうだったのですが、10月下旬になって稲毛海岸駅にエリアが設けられ、海浜幕張駅前にも一か所追加されました。それなりに好調だということなのでしょうか。
稲毛海岸駅前
海浜幕張駅前
さてこの電動キックボードのシェアリングですが、今後普及していくのでしょうか。
利用したことのない身で言うのもなんですが、このままでは普及は厳しいと思います。それは、キックボードでありながら原付であるというところに起因します。
まず、キックボードですからイメージとしてはシェアサイクルの下位互換になると思われますが、車両を貸し借りできる地点はわずか3エリア。これでは日常使いできません。
さらに、シェアサイクルと同等、もしくはそれ以上に気軽に利用できるような交通手段にみえるのに料金はなんと100円+25円/分もします。10分乗るだけで350円もかかるのです。1時間パスもありますがそれとて850円。シェアサイクルの値段とは比べ物になりません。
それどころかタイムズのカーシェアでさえ220円/15分。単純な比較はできませんが、これでは利用しようという気にならないでしょう。
そしてやはりキックボードで車道を走るということへの不安は拭えません。生身をそのままさらけ出している感覚、バイクや自転車よりも強い恐怖が湧いてきます。
これは単純に被害妄想というだけでなく、千葉エリアでは国道357号線における車道の走行が禁止されています。この場合歩道を走行するわけにもいきませんので、キックボードを押して歩道を歩くこととなります。そんな面倒くさい話があるでしょうか。
こういった課題を解決する一手として、根本要因である「電動キックボードは原付である」というのを変えることが挙げられます。現に、10月より横浜国立大学と九州大学において規制緩和に向けての実験が始まりました。この実験がどういう結末になるかはわかりません。仮に電動キックボードが原付扱いでなくなったとして、今度はどういう扱いになるのか。
海外ではシェアサイクルを駆逐しているところもあるシェア電動キックボード。今後の動向が気になるばかりです。
[参照]
千葉市 電動キックボード実証実験 https://www.city.chiba.jp/sogoseisaku/sogoseisaku/tokku/kickboard.html
shimajiro@mobiler http://shimajiro-mobiler.net/2019/08/28/post62110/
TechCrunch https://jp.techcrunch.com/2019/10/17/luup-mobby-ride-sandbox/
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