記念すべき第一回のテーマ記事という事でここは手堅く…
「平成ネタ」にうってつけの場所へ行くためにやって来たのは熊本駅です。改元の際に随分と取り上げられて有名になったのでお分かりでしょうが、今回は熊本駅のお隣、豊肥本線にある「平成駅」を探訪します。
といっても、平成駅は熊本駅のすぐ隣ですので、何も迷うものも話すこともありません。
(高架化工事中のホームの様子。先行して4~6のりばが供用されていました。)
ということでもう一つ小ネタを挟んでいきます。熊本駅は2018(平成30)年3月17日より全面高架化がされ、現在旅客はピカピカな駅舎を通り、ピカピカなホームに電車は滑り込んでいます。駅舎のデザインもJR九州らしくオシャレなものになっていますが、高架化前にはこんな面白いホームが存在しました。
それがこちら。「0A」番・「0B」(一時期はさらに「0C」が存在)番のりばです。京都駅などを筆頭に一部の駅で見られる「0番線」ですが、さらに枝番が振られていた駅となるとここ、熊本駅が日本で唯一でした(※)。ちなみに写真は高架化直前に訪問した際に撮影していたものです。
※…かつては金沢駅にも存在していた時期があったそうです。
日本各地の0番線で一般的な「ぜろ」では無く、「れい番エー」「れい番ビー」と呼称しているのも特徴的でした。熊本駅の0番のりばは基本的に豊肥本線の乗り場として使用されていて、平成駅に向かう電車もここから発車していました。平成の隣が「れい」わ…
(「支線が切欠けホームから発着するタイプ」の0番線だと、路線そのものが消えてしまうパターンも(写真:佐賀駅 旧佐賀線用3番のりば跡←0番じゃないんかい!)
このような唯一存在の面白い(?)ホームが消えるのは惜しい事ですが、熊本駅以外でも0番線そのものが駅舎の改良や発着路線・駅自体の消滅によって数を減らしているのが実情で、そのうち京都駅ぐらいしか存在しないものになっていくのかもしれません。
地平時代の1番のりば。こちらは下り鹿児島本線の八代行きです。
そしてこちらが現在の1番のりば。鹿児島本線の下りと、0番のりばを追われた豊肥本線が共用しています。では停車中の肥後大津行きの電車に乗って「平成」へと移動します。
(新元号は 南 熊 本 であります。)
熊本駅を出た電車が鹿児島本線から離れて大きく左にカーブし、白川を渡ったところであっという間に到着しました。訪問時はまだ新元号が発表される前だったので、撮影者は0ではありませんでしたが、思ったより閑散としていました。出札際に記念に入場券を1枚買って、構外へと出ます。
こちらが平成駅です。平成駅は1992(平成4)年に開業した比較的新しい駅で、もともと踏切であった道路が立体交差化した地点に設置されました。小さな駅舎は陸橋の下に位置し、昼間でもひっそりとしています。
「平成駅」と「昭和タクシー」。こういう遊び心、大好きです。
駅名板。どうやら下の自販機(写真では見切れている位置)に「大正」製薬のリポビタンDが売ってたようなのですが、さすがにそこまでは気づけませんでした。この調子だとどっかに「明治」関連のアイテムもありそうです。(なんだこの隠れダンジョンは…)
駅前にはこんな碑が建っています。平成駅はその名の通り「熊本市中央区平成」に位置しています。そしてその平成地区は元々、市内の十禅寺町・世安町・本荘町・本山町の一部の田園地帯を昭和末期に宅地目的で土地造成した場所で、事業完了が平成となった翌年の1990(平成2)年だったことから、平成と名付けられました。
個人的には「○○ニュータウン」とか「○○が丘」なんかよりもずっとシンプルでカッコいい命名方法だと思います。
平成駅の他には(駅名で考えると)大正駅や昭和駅も存在します。短くは無いはずなのに、窓から窓へ風が吹き抜けるように過ぎ去っていったように思えた平成の時代。そして戦後3番目の元号になる令和はどんな風を運んでくるのでしょうか。そして「令和」駅や「令和」町が誕生するのはいつになるのでしょうか。
探索終了。
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